「先生!あたし琥珀くんの後ろに座りたいです!」
「私も琥珀くんの後ろ座りたい!」
「私も私も!」
次々に大野の後ろに座りたいと言う女子が手を挙げるが、先生は、
「ダメだ」
と言って許可を出さなかった。
それを聞いた女子たちは肩を落とし、次々にあたしへの愚痴を言っていく。
「ほんと何アイツ。琥珀くんに心配かけんなよ」
「琥珀くんに好かれてるとでも思ってるんじゃない?」
「ウザ」
コソコソ話す声が聞こえるが、それよりあたしは眠気が襲ってきて、すぐに寝てしまった。
*
「着いたぞ」
大野の声で目を覚ます。
あたしが何とかシートベルトを外すと、大野があたしを持ち上げた。
「ちょっと、大野!」
あたしをお姫様抱っこする大野の上で、足をバタバタさせた。
「暴れるな。落ちるぞ」
大野にそう言われ、足を止めた。
「きゃー!」
「かっこいい!」
「高木さんいいなぁー」
バス内で、女子たちは再び騒ぎ出した。
その裏ではきっと、あたしの愚痴でも言っていることだろう。
大野はあたしを持ち上げながら、先に降りた平松先生の元へ行った。
「先生、俺、高木連れて保健室行ってきます」
「ああ、頼んだ」
女子たちからの黄色い歓声を聞きながら、大野はそのままあたしを保健室へ連れて行ってくれた。

