あの夏、キミが描いた青空


「先生!あたし琥珀くんの後ろに座りたいです!」



「私も琥珀くんの後ろ座りたい!」



「私も私も!」



次々に大野の後ろに座りたいと言う女子が手を挙げるが、先生は、



「ダメだ」



と言って許可を出さなかった。



それを聞いた女子たちは肩を落とし、次々にあたしへの愚痴を言っていく。



「ほんと何アイツ。琥珀くんに心配かけんなよ」



「琥珀くんに好かれてるとでも思ってるんじゃない?」



「ウザ」



コソコソ話す声が聞こえるが、それよりあたしは眠気が襲ってきて、すぐに寝てしまった。







「着いたぞ」



大野の声で目を覚ます。



あたしが何とかシートベルトを外すと、大野があたしを持ち上げた。



「ちょっと、大野!」



あたしをお姫様抱っこする大野の上で、足をバタバタさせた。



「暴れるな。落ちるぞ」



大野にそう言われ、足を止めた。



「きゃー!」



「かっこいい!」



「高木さんいいなぁー」



バス内で、女子たちは再び騒ぎ出した。



その裏ではきっと、あたしの愚痴でも言っていることだろう。



大野はあたしを持ち上げながら、先に降りた平松先生の元へ行った。



「先生、俺、高木連れて保健室行ってきます」



「ああ、頼んだ」



女子たちからの黄色い歓声を聞きながら、大野はそのままあたしを保健室へ連れて行ってくれた。