あの夏、キミが描いた青空


息を切らしながら、遠くまで来てしまった。



「はぁ疲れた」



辺り一面木しかなく、どこから来たのかわからないくらいだ。



まだ大野へのイライラはおさまらない。



あたしは、嫌なことを引きずってしまう自分が嫌いだ。



「でも、あれは大野が悪いんだから」



そう、いきなり怒鳴ってきた大野が悪い。



あたしは悪くない。



「大体ね、あたしと一緒にいるって言ったのは何処の誰よ」



あたしと一緒にいたいからって女子の誘いを断ったくせに、結局は喧嘩になって離れ離れ。



ほんと、変な奴。



傘をさして草を踏みながらぶつぶつと大野の文句を言い、行くあてもなく歩く。



てかあたし、何でこんなに大野のこと考えてしまうんだろう。



今までは喧嘩しても、相手のことなんか気にしないようにしてたのに。



しかも、大野との喧嘩は、何だか心苦しかった。



こんな気持ちになったのは初めてだった。







適当に歩いても、みんなの姿は見えない。



今頃班活動してるんだろうな。



そこにあたしと、多分大野もいない。



となると桃田さんと井原くんはふたりきりだ。



きっと今頃桃田さんは大野を探していることだろう。



あたしじゃなくて、大野を。



暗くなる前には戻らないと。



そう思っていたのに、中々みんなの元へ辿り着けずにいた。



「暗くなってきたな」



時間だけが過ぎていき、いつの間にか外は真っ暗に。



「お昼も食べてないし、もうお腹空いたよ…」



さっきからあたしのお腹がぐーぐー鳴っている。



流石にそろそろ戻らないと先生に怒られてしまうだろう。



だけど辺りは真っ暗で、ほとんど何も見えない。



スマホのライトを頼りにするしかなかった。



それから、歩き続けること10分。



木の家が見えた。



ここはキャンプ場で、実際に今でも宿泊宿として使われている家だ。