あの夏、キミが描いた青空


月曜日の朝、今日の天気も雨だ。



結局休日は出かけることもなく、家でゆっくり過ごした。



本当は新しい服を買いに行く予定だったのに、雨のせいで予定が狂ってしまった。



こんなことなら、金曜日に新しい服を買いに行っておくべきだった。



あたしの予定が狂ったってのに、今日は土砂降りでも普通に学校があるのがとても腹立たしい。



あたしはベッドから出て制服に着替え、リビングに向かった。



「おはよー」



いつも通り挨拶をするが、返事はなかった。



お母さんはもう、仕事に行ったようだった。



あたしの朝ごはんは、ラップがかけられて用意されていた。



いつも通りの朝ごはん。



あたしは冷たくなったパンを、トースターで温め直して食べた。







「行ってきまーす」



あたし以外誰もいない家の中で、そう言って家を出た。



大雨のため、靴に防水スプレーをかけておいた。



だけど、これだけ雨が降っているならあまり意味はないだろう。



あたしの使っている傘は大きいけれど、それでも足りないくらい雨は激しかった。



「紗英ー!」



歩いていると、後ろから声をかけられて振り返る。



「琴音!」



水たまりの上をバシャバシャと走って来たのは、琴音だった。



いつも寝坊して遅刻ばかりしている琴音と、こんな時間に会うのは本当に珍しかった。



「今日は起きれたんだね」



あたしがからかい気味に言う。



「いやー、雨の音で起きちゃったよ」



琴音は、そう言って眠そうにあくびをしていた。



「てか今日一限から体育だよ?」



今の体育は、外でサッカーだ。



だが今日は外では授業ができない。



「保健かもね。ダルー」



体育ができない日は、教室で保健の授業をする。



一限から保健だと思うと、一気にテンションが下がった。







「キャー!」



そんな声が聞こえたのは、校門を通り過ぎてすぐだった。



男女関係なく、左右に分かれる。



その間を、ひとりの男子生徒が歩いていく。



彼は、まるでアイドルのようだった。



「なんだろう…。転校生かな?」



黄色い歓声、左右に分かれる男女、こんな状況は見たことがなかった。



「私たちも行ってみよ!」



あたしは琴音に手を引かれて、その男子生徒を追いかけた。