家の中に鳴り響く電話の音で目を覚ます。
起きるのはダルいけど、一階にある電話を手に取った。
「もしもし」
「あっ、高木、今日は学校来てないみたいだけどどうした?体調でも悪いのか?」
電話をかけてきたのは、担任の平松先生だった。
「いえ、大丈夫です」
特に嘘をつく理由もなく、正直に答えた。
「今から来週のキャンプの話をするから、大丈夫そうなら来てほしい」
行かなきゃいけないのか…。
こうなるなら「体調が悪い」とでも言うべきだった。
「わかりました。今から行きます」
そう言って電話を切り、本日二回目の登校をした。
*
「おっ、高木」
生徒玄関で靴を履き替えたところで、平松先生と会った。
「さ、行こうか」
先生と一緒に教室へ向かう。
「は?」
教室に入ると、大野の席に女子が群がっていた。
ということは…。
「大野?」
私の声に、大野が反応する。
「あ、お前、また来たんだ」
大野が言った『また』という言葉に、平松先生が反応した。
「ん?またって?」
先生は首を傾げる。
「ちょっと大野…」
今朝の出来事を話すしかない。
そう思った時だった。
「あーやっぱ見間違いでした。何でもないっす」
大野が先生に嘘をついた。
その嘘をなんの疑いもなく、平松先生は信じたようだ。
「おお、そうか。みんな席に着けー」
平松先生の呼びかけで、みんな席に着く。
また大野に助けられたな。
そう思いながら、あたしも席に着いた。

