あの夏、キミが描いた青空


朝、今日は昨日よりも頭が痛い。



ー『もう、王子様と関わらないでくれるかな?』



ー『邪魔しないでほしい、応援してほしい』



ー『ね、私たち親友でしょ?お願い、私に協力して』



昨日の琴音の言葉が、頭から離れなかった。



別に邪魔してるわけじゃないのに、なんでそんなことを言われなきゃならないのか。



あたしはただ、大野が話しかけてくるから喋ってるだけだ。



あたしは別に大野のことは好きでも何でもない。



だからこそ琴音には頑張ってほしいし、絶対に結ばれてほしいって思ってる。



あたしは琴音のためなら何だってする。



できる限りのこと、何だってするから。







今日も教室に行くと、大野がいた。



来ている女子数人に囲まれているのも、いつものことだ。



だけど今日は、少しだけ変化があった。



なんと大野が、少し、ほんの少しだけ、女子の話に相槌を打っていたのだ。



今まではフル無視だったけど、今日は違った。



あたしはビックリして、しばらくドアの前に立ち尽くした。



琴音も来ていて、大野のところに行っている。



昨日と違って、ちゃんと輪の中で楽しそうに笑う琴音を見て、なんだかあたしまで嬉しくなった。



だけど、心がほっこりしたのはほんの数秒だけだった。



輪の中から、また聞きたくない言葉が飛んできた。



「高木ってマジでゴミ」



まただ。



また誰かがあたしの悪口を言った。



女子たちの視線があたしに刺さる。



「ねぇ、もうあんた学校来なくていいよ?」



そう言いながらあたしの前に来たのは、前回も一番はじめにあたしの悪口を言い出した、柏木さんだった。



柏木さんは友達が多く、いつでも無敵状態だ。



柏木さんに目をつけられたら終わり、そう言われるほどだった。



そんな柏木さんに、あたしは目をつけられてしまった。



何であたしがこんな思いをしなきゃならないのだろうか。



『助けて』



そんな思いを込めて琴音を見つめるが、すぐに視線を逸らされた。