朝、今日は昨日よりも頭が痛い。
ー『もう、王子様と関わらないでくれるかな?』
ー『邪魔しないでほしい、応援してほしい』
ー『ね、私たち親友でしょ?お願い、私に協力して』
昨日の琴音の言葉が、頭から離れなかった。
別に邪魔してるわけじゃないのに、なんでそんなことを言われなきゃならないのか。
あたしはただ、大野が話しかけてくるから喋ってるだけだ。
あたしは別に大野のことは好きでも何でもない。
だからこそ琴音には頑張ってほしいし、絶対に結ばれてほしいって思ってる。
あたしは琴音のためなら何だってする。
できる限りのこと、何だってするから。
*
今日も教室に行くと、大野がいた。
来ている女子数人に囲まれているのも、いつものことだ。
だけど今日は、少しだけ変化があった。
なんと大野が、少し、ほんの少しだけ、女子の話に相槌を打っていたのだ。
今まではフル無視だったけど、今日は違った。
あたしはビックリして、しばらくドアの前に立ち尽くした。
琴音も来ていて、大野のところに行っている。
昨日と違って、ちゃんと輪の中で楽しそうに笑う琴音を見て、なんだかあたしまで嬉しくなった。
だけど、心がほっこりしたのはほんの数秒だけだった。
輪の中から、また聞きたくない言葉が飛んできた。
「高木ってマジでゴミ」
まただ。
また誰かがあたしの悪口を言った。
女子たちの視線があたしに刺さる。
「ねぇ、もうあんた学校来なくていいよ?」
そう言いながらあたしの前に来たのは、前回も一番はじめにあたしの悪口を言い出した、柏木さんだった。
柏木さんは友達が多く、いつでも無敵状態だ。
柏木さんに目をつけられたら終わり、そう言われるほどだった。
そんな柏木さんに、あたしは目をつけられてしまった。
何であたしがこんな思いをしなきゃならないのだろうか。
『助けて』
そんな思いを込めて琴音を見つめるが、すぐに視線を逸らされた。

