学校って暇つぶしに来るところなの?
それはあえて聞かないことにした。
「じゃ、あたしもう帰るね」
人がいなくなってきたし、もうすぐで最終下校のチャイムが鳴る。
教室を出ようと、出入り口の横にいる大野の横を通り過ぎたとき、大野に腕を掴まれた。
大野と、視線がぶつかり合う。
なになに!?これは目を閉じた方がいいやつ!?
大野の手があたしの頭に触れ、あたしは目を閉じた。
けれど、しばらく経っても何もない。
ゆっくりと目を開けると、大野は腹を抱えて静かに笑っていた。
「お前…何勘違いしてんだよ。頭にゴミ付いてたから取ってやっただけなのに」
…は?
「べ、別に勘違いなんてしてないし!?」
あたしははずかしくて、大野の顔が見れなかった。
そしてそのまま大野を通り越して、校内を出たのだった。
*
「ほんっと腹立つ!」
大きな水たまりを、わざとばちゃばちゃ踏みつけながら歩いていく。
全く…期待させといて何なのよ!
あたしはいつも、大野にからかわれてばかりだ。
大野はあたしの反応を面白がっている。
本当に本当に許せない!
さっきのだって、あたしが騙されたみたいで悔しかった。
「そうだ!」
次はあたしが大野をドキドキさせればいいんだ!
ん?ドキドキ…?
あたし、大野にドキドキしてたっけ?
「いや、ありえないでしょ」
そう、大野なんかにドキドキするなんてありえないんだから。
それにしてもさっきのはムカつく。
あたしは靴や靴下が濡れることなんてお構いなく、水たまりを踏んで帰った。

