あの夏、キミが描いた青空


学校って暇つぶしに来るところなの?



それはあえて聞かないことにした。



「じゃ、あたしもう帰るね」



人がいなくなってきたし、もうすぐで最終下校のチャイムが鳴る。



教室を出ようと、出入り口の横にいる大野の横を通り過ぎたとき、大野に腕を掴まれた。



大野と、視線がぶつかり合う。



なになに!?これは目を閉じた方がいいやつ!?



大野の手があたしの頭に触れ、あたしは目を閉じた。



けれど、しばらく経っても何もない。



ゆっくりと目を開けると、大野は腹を抱えて静かに笑っていた。



「お前…何勘違いしてんだよ。頭にゴミ付いてたから取ってやっただけなのに」



…は?



「べ、別に勘違いなんてしてないし!?」



あたしははずかしくて、大野の顔が見れなかった。



そしてそのまま大野を通り越して、校内を出たのだった。







「ほんっと腹立つ!」



大きな水たまりを、わざとばちゃばちゃ踏みつけながら歩いていく。



全く…期待させといて何なのよ!



あたしはいつも、大野にからかわれてばかりだ。



大野はあたしの反応を面白がっている。



本当に本当に許せない!



さっきのだって、あたしが騙されたみたいで悔しかった。



「そうだ!」



次はあたしが大野をドキドキさせればいいんだ!



ん?ドキドキ…?



あたし、大野にドキドキしてたっけ?



「いや、ありえないでしょ」



そう、大野なんかにドキドキするなんてありえないんだから。



それにしてもさっきのはムカつく。



あたしは靴や靴下が濡れることなんてお構いなく、水たまりを踏んで帰った。