あの夏、キミが描いた青空


真夏の休日の朝、今日の天気は雨。



雨は一番嫌いだ。



髪の毛はパサつくし、何よりテンションが下がる。



パラパラならいいけど、今日の雨は結構激しい。



「これじゃあどこにも行けないな」



あたしは窓の外を眺めながらため息を吐いた。



昨日はあんなに晴れてたのに…。



昨日親友の琴音に遊びに誘われて断ったのを、今更後悔する。



せっかくの休日が台無しだ。



今のあたしには何もやる気が起きず、ベッドに寝転がった。



そしてスマホを手に取り、SNSをチェックする。



「あみちゃん、今日も可愛いなー」



久しぶりに見た推しのあみちゃんの投稿に、いいねを押していく。



そんなことをしていると、



『ピコン』



スマホの画面の上に、天気予報の通知が来た。



いつになったら晴れるかな。



あたしは『明日には晴れるだろう』と期待を込めて通知を開いた。



だが、すぐに期待が薄れた。



「雨、雨、雨…」



ずっと雨予報だ。



いつしか天気予報が変わることを信じて、自分の部屋を出て、リビングに行った。



「おはよう」



リビングに入るなり、お母さんは慌ただしく仕事に出かける準備をしている。



「おはよう紗英。お母さん、もう行くからね」



あたしのお母さんは、時々休日も仕事に行く。



お父さんが数年前に事故で亡くなってから、お母さんがひとりであたしを育ててくれている。



こんな雨の日でも外に出なきゃいけないなんて、大人は大変だ。



「行ってらっしゃい」



お母さんを玄関まで見送って、再びリビングに戻る。



『続いてのニュースです…』



ふと、テレビがついていることに気がついた。



あたしはテレビなんて見ないし、消そうと思ってリモコンに手を伸ばしたときだった。



『前代未聞、一年丸々雨予報か』



テレビの中からそんな声が聞こえた。



あたしは思わず耳を傾けた。



『今日は全国的に土砂降りで、晴れている地域はありません。この雨は、一年続くと思われます』



この雨が一年も!?



「いや、まさかね」



そんなはずはない、そう思ってテレビを消した。



一週間ならわかるけど、流石に一年なんてありえない話だ。



そう思うとなんだか面白く思えて、笑えてきた。