あの夏、キミが描いた青空

あたしが学校に着いたときには、一限が終わって休み時間だった。



「紗英、遅いよ」



「琴音…」



教室に入るとすぐ、琴音が来てくれた。



「昨日いなかったけど、大丈夫だった?」



あーそういえば裏庭でサボったんだった。



「う、うん。大丈夫」



珍しく今日はあたしの隣の席に女子が群がってない。



そう思ったら、大野が席にいなかったのだ。



女子も全員教室にいる、となると…



「今日って大野は休み?」



これしか考えられなかった。



「ちょっと、大野って…王子様だよ!?」



琴音に聞いたあたしがバカだった。



「琥珀くん、どうしたんだろうね」



「琥珀くんいないとつまらないよ…」



近くの女子たちの会話が聞こえ、やっぱり今日は大野はいないのだと確信した。



大野がいない一日は、あれこれ言われなくて平和だったけど少し寂しかった。



やっぱり、大野がいないと女子も寂しそうだ。



また傘をささずに帰って、風邪でも引いてたりして。



流石にありえないか?



いや、普通にありえる。



大野の家を知ってたらお見舞いに行けたのにな。



まあ知らないものは仕方がないか。







普通の一日が終わった。



今日は隣の席の大野がいなくて、授業中に話せる相手がいなかった。



つまらない授業もやっと終わって放課後。



今日もあたしは、最終下校時間まで教室に残った。



特に理由はないけど、最近は最後まで残るのが日課だ。



生徒玄関から出ていく生徒たちを見る。



この時間が最高に好きだった。



「おい」



しばらく見ていると、後ろから声が聞こえた。



この声は大野だ。



でも何で?今日は大野、休みなんじゃないの?



もしかしたら大野じゃないのかな?



あたしは恐る恐る後ろを振り返った。



けどやっぱり、そこにいたのは大野だった。



「大野、今日休みなんじゃなかったの?」



「ただの寝坊だ。今起きた」



こんな時間まで寝てたなんて…。



大野は一体何時に寝たのだろうか。



「で、何で学校来たの?もう下校の時間だけど」



あたしはそれが気になって仕方なかった。



「暇だったから」



「は?」



よく見ると、大野はカバンを持っていない。



ということは、本当に暇つぶしで来たのかもしれない。