「それでね、そいつ、ブスブスうるさいのよ」
夜ごはんを食べながら、あたしは大野の愚痴をお母さんに聞かせていた。
「もしかしたら、大野くんは紗英のことが好きなんじゃないの?」
なんて言いながら、お母さんは微笑んだ。
その言葉に、あたしは噛んでいたご飯を勢いよく飲み込んでしまった。
「ゴホッゴホッ…。あーもう、そんなんじゃないって!とにかく、大野と私は嫌い合ってるの!」
「はいはい」
いくら否定しても、きっとお母さんには伝わらない。
どうやらあたしは、相談する相手を間違えたようだ。
いつも通りご飯を食べ終え、お風呂に入って、寝る準備を済ませた。
後は寝るだけだ。
ベッドに横になりながら、考えるのは大野のこと。
普通の生活だけど、大野を思い出すだけでイライラする。
思い出さないようにしているのに、なぜか頭の片隅には大野がいるのだ。
あたし、大野のこと考えすぎかな?
好きでもない人のことを、こんなにも考えるものなのかな?
いや、普通普通。
大丈夫、考えすぎだなんてそんなことはない。
今日もベッドに滑り込み、一日が終わった。
*
次の日、一応毎日スマホでセットしているアラームが鳴らずに、寝坊してしまった。
最近スマホを充電していなかったせいで、どうやらスマホは充電切れのようだ。
「最悪、もう一限終わるじゃん」
あたしはバタバタと準備をし、お母さんが用意してくれた朝ごはんも食べずに家を出た。

