あの夏、キミが描いた青空

「おい、おいブス。起きろって」



そんな声が聞こえて目を覚ます。



「やっと起きたわ」



状況を理解するのに、あまり時間はかからなかった。



ただひとつ、目の前に大野の顔が。



「い、いやー!」



あたしは慌てて起き上がり、距離をとった。



「何だようるせーな」



大野がそっぽを向きながら言った。



コイツはいつもいつもあたしを脅かしてくる。



そろそろあたしもやり返したいところだ。



「あ、あんたこそ何でここにいるのよ!」



昨日来たばかりの大野には、こんな場所、わかるわけがないのに。



「あー、歩いてたらなんかドアがあったから、適当に開けたらブスが寝てた。それだけ」



大野が言うことは、一々トゲがあるっていうか…。



「ブスブス何なのよ」



あたし、ブスじゃないし!



「ブスは一生ブスだよ」



そう言ってデコピンしてくる大野。



「うっざ!」



あたしは大野をその場に残し、ひとりで校内に戻った。







教室の窓から外を見ると、みんなは下校中だった。



「あーあ。授業サボっちゃったよ」



授業をサボるのは、人生で初めての経験だった。



まだ一回目だし、なんとか単位は大丈夫そうだ。



そういえば、今日はあたしの傘あるかな?



幸い自分の傘を二本持っていたため、今日は昨日と違う傘を持ってきた。



それに、まだ昨日の傘も返ってきてないし。



人がだいぶ少なくなってきた頃、あたしは生徒玄関に向かって自分の傘があるか見に行った。



「あっ、あった!」



よかった、今日はちゃんとあった。



そのまま靴を履き替え、傘をさし、家に帰った。



あたしのカバンには、今日の課題である国語のテキストもしっかりと入っている。