走り続けてたどり着いたのは、裏庭だった。
普段は立ち入り禁止で、外から行こうとすると高いフェンスがある。
長くて大きな屋根が付いているため、雨でも安心だ。
立ち入り禁止のくせに、雨防止までしてくれているなんて…。
それと、校内から裏庭に繋がるドアがあり、そのドアにはなぜか鍵がかかっていない。
そのため、すんなり裏庭に出ることが出来るのだ。
これは先輩から聞いた話で、あたし自身初めて来たけど、本当にすんなりドアが開いた。
「こんなところもあったんだ」
あたしは裏庭にあるベンチに座って、そこに咲いてる花を見つめた。
名前はわからないけど、可愛らしい花だった。
屋根の隙間からポタポタと雨水が落ちてくるが、あたしの座っているベンチまでは落ちてこない。
今の時期に外に出ても雨に濡れないなんて、なんだか新鮮だった。
ここに来て、何分経っただろうか。
いつの間にか校内がざわつき始めた。
生徒が次々に登校してきているのだ。
あたしももう戻らないと、ここにいるのがバレるかもしれない。
だけどさっきのことがあったし、やっぱり戻る気にはなれなかった。
「今日は一日ここで過ごそうかな」
ベンチにテキストを広げれば勉強だってできるし、何より今はひとりになりたかった。
*
何度チャイムが鳴っただろうか。
相変わらず、あたしは裏庭にいる。
誰も来ないし、今のところは先生にも見つかっていない。
本当に快適だ。
夜中は雨の音で目が覚めて、その後寝れなかった。
眠たくなってきたし、少し昼寝でもしよう。
あたしはテキストを片付けて、ベンチに伏せた。

