あの夏、キミが描いた青空


走り続けてたどり着いたのは、裏庭だった。



普段は立ち入り禁止で、外から行こうとすると高いフェンスがある。



長くて大きな屋根が付いているため、雨でも安心だ。



立ち入り禁止のくせに、雨防止までしてくれているなんて…。



それと、校内から裏庭に繋がるドアがあり、そのドアにはなぜか鍵がかかっていない。



そのため、すんなり裏庭に出ることが出来るのだ。



これは先輩から聞いた話で、あたし自身初めて来たけど、本当にすんなりドアが開いた。



「こんなところもあったんだ」



あたしは裏庭にあるベンチに座って、そこに咲いてる花を見つめた。



名前はわからないけど、可愛らしい花だった。



屋根の隙間からポタポタと雨水が落ちてくるが、あたしの座っているベンチまでは落ちてこない。



今の時期に外に出ても雨に濡れないなんて、なんだか新鮮だった。



ここに来て、何分経っただろうか。



いつの間にか校内がざわつき始めた。



生徒が次々に登校してきているのだ。



あたしももう戻らないと、ここにいるのがバレるかもしれない。



だけどさっきのことがあったし、やっぱり戻る気にはなれなかった。



「今日は一日ここで過ごそうかな」



ベンチにテキストを広げれば勉強だってできるし、何より今はひとりになりたかった。







何度チャイムが鳴っただろうか。



相変わらず、あたしは裏庭にいる。



誰も来ないし、今のところは先生にも見つかっていない。



本当に快適だ。



夜中は雨の音で目が覚めて、その後寝れなかった。



眠たくなってきたし、少し昼寝でもしよう。



あたしはテキストを片付けて、ベンチに伏せた。