ミラー☆みらくる!

「楠木、だな」
「そうだよ」
「はぁ……ま、言い方はなんだけど、お前もダメージは大きかったみたいだし、今はその説明で納得してやるよ」
 ダメージってなにを知っているんだと思ったものの、自分の目元がそれを証明していることに気が付いた。

 あぁ、もっとうまくごまかせるとよかったのに。
 まぁいいや。

「そうね。今はそれで納得しておいて。いずれ気が向いたら話すかもしれないしね」
「お前、本当に……そうだな。そういうやつだったな」
 なによ、その言い方。

「あぁ、リナは素直だったもんねー」
「そうだな。こうして改めて楠木を見ると、態度も表情も全然違うな」
「わるかったわねーっ。素直じゃなくて」
「でもまぁ、その顔見せられたら、本質は案外似てるんだろうなって思うよ」
「う、うるさいなぁ!」
 やっぱりしっかりと目のケアしておくべきだった!
 思わずプイッと横向けば、クスクスと笑う鳴海の声が聞こえてきた。

 不思議……鳴海とこんな風に過ごしているなんて。
 不意打ちの笑い顔に、胸の奥で微かな想いを感じる。

 それは、リナの中で芽生えようとしていた淡い想い。
 だけど、それはあたし自身の気持ちじゃない。

 あたしはこれから、リナの存在を受け止めたうえで、あたしとして鳴海と向き合うんだ。

「さっ、鳴海センセ。あたしが赤点取らないように、必勝法を教えてくださいな」
「ねーよ、必勝法なんて。時間がなくてもやることは根気だ。とにかく書いて解く!」

 お互い、気持ちを切り替えるようにと、テーブルに勉強道具を広げた。

 リナが頑張ってきたこと、絶対に無駄にしないよ。
 そしてこれからは、あたしが自分で頑張るんだ。

 だからずっと、これからも、見守っていてね。