「悪い。色々言い過ぎた」
「ううん。思った以上に鳴海の中では違和感があったんだね」
「まぁな」
正直、鳴海の分析に驚いている。
わたしと莉菜は心まで完全に一緒のわけじゃない。
【鏡の部屋】にいたわたしは、莉菜の様子を見ていただけ。
目に見える部分の感情はわかっても、本当の心の中はわからない。
だからこそあの日、莉菜が学校に行きたくないって口にするまで莉菜の気持ちがわからなかったんだ。
それでも今までずっと莉菜のことを見てきたわたしとしては誰よりも莉菜のことを理解していると思っていた。
なのに鳴海が今、ビックリするくらい莉菜のことをわかっているかのように話していることに驚いた。
「本当に、信じられない話だと、思うよ?」
「もうここまで話してたら俺の中では別人説が確定しているよ。ただ、見た目が楠木だからそこがわかんねー」
別人、か。
不思議な響きだと思う。
確かにわたしと莉菜は心まで一緒じゃない。
それでもやっぱりわたしは莉菜がいたから存在するんだ。
莉菜であって莉菜じゃない。莉菜じゃないけれど、やっぱり莉菜の一部ではある。
鳴海は、わかってくれるだろうか?
「わたし……わたしはリナ。楠木莉菜だけど、莉菜じゃない。【鏡の部屋】からずっと莉菜を見守っていた、もう一人のリナなの」
言って、しまった。
鳴海が違和感持っているって知ったとはいえ、言ってしまったことに、思わず全身緊張が走る。
どう思った? 信じる? それとも、おかしいって思う?
怖くて鳴海の顔が見られず、膝の上で強く拳を作って、思わず目をつむる。
お願い、なにか言って。
できれば、否定の言葉じゃなくて、信じて。
沈黙が続く中、わたしは怖くて目を開けていられなかった。
どれくらいそうしていたんだろう。
鳴海の声が聞こえなくて、とうとうわたしはチラッと目を開けて、鳴海の様子を見た。
すると、わたしが目を開けるのを待っていたかのように、鳴海はフッと笑った。
「【鏡の部屋】って? 莉菜だけど違うっていうのは、どういうことか、もうちょっと説明してくれるか?」
「……信じて、くれるの?」
「まあ、違和感の正体っぽいからな」
突拍子もない話だろうに、ちゃんと聞いてくれる姿勢にホッとする。
わたしが鳴海をイイやつだって思うのは、こういう面なのかもしれない。
「ううん。思った以上に鳴海の中では違和感があったんだね」
「まぁな」
正直、鳴海の分析に驚いている。
わたしと莉菜は心まで完全に一緒のわけじゃない。
【鏡の部屋】にいたわたしは、莉菜の様子を見ていただけ。
目に見える部分の感情はわかっても、本当の心の中はわからない。
だからこそあの日、莉菜が学校に行きたくないって口にするまで莉菜の気持ちがわからなかったんだ。
それでも今までずっと莉菜のことを見てきたわたしとしては誰よりも莉菜のことを理解していると思っていた。
なのに鳴海が今、ビックリするくらい莉菜のことをわかっているかのように話していることに驚いた。
「本当に、信じられない話だと、思うよ?」
「もうここまで話してたら俺の中では別人説が確定しているよ。ただ、見た目が楠木だからそこがわかんねー」
別人、か。
不思議な響きだと思う。
確かにわたしと莉菜は心まで一緒じゃない。
それでもやっぱりわたしは莉菜がいたから存在するんだ。
莉菜であって莉菜じゃない。莉菜じゃないけれど、やっぱり莉菜の一部ではある。
鳴海は、わかってくれるだろうか?
「わたし……わたしはリナ。楠木莉菜だけど、莉菜じゃない。【鏡の部屋】からずっと莉菜を見守っていた、もう一人のリナなの」
言って、しまった。
鳴海が違和感持っているって知ったとはいえ、言ってしまったことに、思わず全身緊張が走る。
どう思った? 信じる? それとも、おかしいって思う?
怖くて鳴海の顔が見られず、膝の上で強く拳を作って、思わず目をつむる。
お願い、なにか言って。
できれば、否定の言葉じゃなくて、信じて。
沈黙が続く中、わたしは怖くて目を開けていられなかった。
どれくらいそうしていたんだろう。
鳴海の声が聞こえなくて、とうとうわたしはチラッと目を開けて、鳴海の様子を見た。
すると、わたしが目を開けるのを待っていたかのように、鳴海はフッと笑った。
「【鏡の部屋】って? 莉菜だけど違うっていうのは、どういうことか、もうちょっと説明してくれるか?」
「……信じて、くれるの?」
「まあ、違和感の正体っぽいからな」
突拍子もない話だろうに、ちゃんと聞いてくれる姿勢にホッとする。
わたしが鳴海をイイやつだって思うのは、こういう面なのかもしれない。

