ミラー☆みらくる!

 放課後になってもテスト前ということもあり、わたしたちの教室では何人か残って勉強している子がいて、とても話せる雰囲気ではない。
 空き教室を探して歩き回ったところ、通常の教室は空いていないだろうと特別教室に行くことにした。
 特別教室がある四階には、視聴覚室、図書室、音楽室、美術室がある。
 図書室はテスト中が一番人が集まる場所になる。
 私語厳禁で自習にはもってこいってわけ。
 そんな図書室と一番離れている音楽室に行ってみると誰もいなかった。
 
「ここなら、いっか」
 芹香ちゃんがキョロッと見渡してから踏み入れた後、わたしと鳴海も後に続いた。
 通常の教室との一番大きな違いであるグランドピアノが存在感を示している。

「音鳴らしたら、響くぞ」
 教室に入るなりグランドピアノへと向かっていった芹香ちゃんにくぎを刺すよう鳴海が声をかける。

「わかってるわよっ。そもそも私、ピアノ弾けないし」
 弾けないとは言うもののピアノの椅子に腰かけて、身体の向きだけ教室の後ろを向いた。
 わたしはそのすぐそばにある一番前の席に腰かけた。
 そんなわたしたちの様子を見て、鳴海は少し離れた場所で机に腰かける。

 それぞれ座ったものの、なんて話を切り出したらいいのかわからない。
 普段、芹香ちゃんとは思ったことをポンポンと話せるのにな。
 それは当たり障りない会話だったからなんだと気づいた。
 どう話を切り出したらいいのか、そう思っていたら芹香ちゃんが口を開いた。