「……鳴海?」
さっきの衝撃は、プリントを筒状にしたものらしい。
机の真横で立っている鳴海からなにやら黒いオーラを感じて、わたしはすぐさま姿勢を正した。
や、やばい。なんか魔王みたいなオーラ感じる!
「お前は、自分があぶないって自覚はないのか?」
「あ、ありますっ!」
思わずピシッと立ち上がり敬礼のポーズをとると、ため息をつかれた。
「だったら自習になった瞬間に寝るなっ。この時間こそ集中して勉強するチャンスだろうが」
「寝てないもん! やる気だったのに次週になっちゃったからちょっと気が抜けたっていうか……」
「気を抜いている余裕があるのか?」
「ありません!」
「自信満々に言うな。わかってるなら座れ。さっさとやるぞ。悪い須藤、俺と席代わってくれ」
鳴海の剣幕に押されたのか、前の席の須藤くんは素早く席を離れていった。
さっきわたしの頭を小突いたプリントを机の上に広げた。
「先生が自習用にテスト対策のプリント用意したやつだ。ちなみに数学は?」
「計算、ニガテ……」
「だろうな。でも九九は覚えてるだろう」
「さすがにそれは覚えてるよ!」
「じゃあ計算も慣れだ。とにかく数こなせ」
さらに机の上にノートを乱雑に置かれる。
「どこまで理解してるかわからなかったから、小五あたりのつまづきそうなあたりから計算問題をいくつかピックアップしてみた」
手に取ってパラパラとめくると、朝見たのと同じ癖と筆圧の強い文字と数字が並んでいる。
それが何ページにもわたって。
「え? これ、鳴海が作ったの?」
「教科書とか、過去問からいくつか引っ張ってきただけだ」
プイっと横向いた顔が、なんだかほんのり赤い気がする。
あ、また照れてる。
意外と照れ屋でマメなんだなぁ、鳴海って。
「ありがとう! そういえばさっき芹香ちゃんにもノート渡されたの」
机の引き出しにしまったノートを出して、鳴海に見せる。
「……アニキの?」
「そうだって。鳴海、お兄ちゃんいたんだね。でも、なんで芹香ちゃんが持っていたのかな?」
鳴海のお兄ちゃんなら鳴海に渡しそうなものなのに。
ひょっとして兄弟仲悪いとか?
だとしたらこれ、鳴海に見せたらまずかったかな?
ちらりと鳴海の表情を伺うと、特に不機嫌でもなく平静だった。
あれ? ってことは別に不仲じゃないのか。
「なんでって、カノジョだからだろ」
「カノジョ? 誰が、誰の?」
まったく想像しなかった単語が鳴海の口から出て、わたしの頭にはハテナが飛び交う。
「え? まじで?」
まったくわからないわたしの様子を見て、鳴海がマズッたと言わんばかりに顔をそむけた。
「芹香、言ってなかったのか……」
「だからなにを?」
もったいぶったようないい方されると、余計に気になるんだけど!
「うちのアニキと芹香、付き合ってるんだよ」
「………………ええぇぇーーーーーーっっ!?」
自習中のざわついた教室の中、わたしの叫びに近い声が窓を振動させるくらいに響き渡った。
さっきの衝撃は、プリントを筒状にしたものらしい。
机の真横で立っている鳴海からなにやら黒いオーラを感じて、わたしはすぐさま姿勢を正した。
や、やばい。なんか魔王みたいなオーラ感じる!
「お前は、自分があぶないって自覚はないのか?」
「あ、ありますっ!」
思わずピシッと立ち上がり敬礼のポーズをとると、ため息をつかれた。
「だったら自習になった瞬間に寝るなっ。この時間こそ集中して勉強するチャンスだろうが」
「寝てないもん! やる気だったのに次週になっちゃったからちょっと気が抜けたっていうか……」
「気を抜いている余裕があるのか?」
「ありません!」
「自信満々に言うな。わかってるなら座れ。さっさとやるぞ。悪い須藤、俺と席代わってくれ」
鳴海の剣幕に押されたのか、前の席の須藤くんは素早く席を離れていった。
さっきわたしの頭を小突いたプリントを机の上に広げた。
「先生が自習用にテスト対策のプリント用意したやつだ。ちなみに数学は?」
「計算、ニガテ……」
「だろうな。でも九九は覚えてるだろう」
「さすがにそれは覚えてるよ!」
「じゃあ計算も慣れだ。とにかく数こなせ」
さらに机の上にノートを乱雑に置かれる。
「どこまで理解してるかわからなかったから、小五あたりのつまづきそうなあたりから計算問題をいくつかピックアップしてみた」
手に取ってパラパラとめくると、朝見たのと同じ癖と筆圧の強い文字と数字が並んでいる。
それが何ページにもわたって。
「え? これ、鳴海が作ったの?」
「教科書とか、過去問からいくつか引っ張ってきただけだ」
プイっと横向いた顔が、なんだかほんのり赤い気がする。
あ、また照れてる。
意外と照れ屋でマメなんだなぁ、鳴海って。
「ありがとう! そういえばさっき芹香ちゃんにもノート渡されたの」
机の引き出しにしまったノートを出して、鳴海に見せる。
「……アニキの?」
「そうだって。鳴海、お兄ちゃんいたんだね。でも、なんで芹香ちゃんが持っていたのかな?」
鳴海のお兄ちゃんなら鳴海に渡しそうなものなのに。
ひょっとして兄弟仲悪いとか?
だとしたらこれ、鳴海に見せたらまずかったかな?
ちらりと鳴海の表情を伺うと、特に不機嫌でもなく平静だった。
あれ? ってことは別に不仲じゃないのか。
「なんでって、カノジョだからだろ」
「カノジョ? 誰が、誰の?」
まったく想像しなかった単語が鳴海の口から出て、わたしの頭にはハテナが飛び交う。
「え? まじで?」
まったくわからないわたしの様子を見て、鳴海がマズッたと言わんばかりに顔をそむけた。
「芹香、言ってなかったのか……」
「だからなにを?」
もったいぶったようないい方されると、余計に気になるんだけど!
「うちのアニキと芹香、付き合ってるんだよ」
「………………ええぇぇーーーーーーっっ!?」
自習中のざわついた教室の中、わたしの叫びに近い声が窓を振動させるくらいに響き渡った。

