「なんなのよ、あいつ。やっぱりムカつく―!」
「まぁまぁ、落ち着いて。なんで二人ってこんなに言い合っちゃうんだろうね」
「知らないっ。鳴海に言ってよ。すぐ突っかかってくるんだから」
途中まではちゃんと採点してくれていたし、落ち着いて勉強できる雰囲気だったのに。
「遥人もちゃんと話せばいいやつなんだってわかると思うんだけどな」
「芹香ちゃん、鳴海の味方なのー?」
「そうじゃないよ。だけど私にとっては莉菜も遥人も大事だからさ。この機に二人が仲良くなってくれたら嬉しいなって。それに二人が上手くいかなくて大会に出られないなんてことにはなって欲しくないよ」
そうだよね。大会に出られないのは本当に嫌。
莉菜だって、それは絶対に避けたいはず。
「それに、遥人は莉菜がちゃんと向き合えば向いてくれるよ。そういうやつだもん」
まっすぐな瞳でそう言われてしまえば、わたしもこれ以上文句は言えない。
なんで鳴海って芹香ちゃんの信頼をこんなに得てるの?
そりゃあ確かに面倒見がよさそうな部分はあったし、案外照れ屋なのかなって一面も見えたけど。
「あ、そうだ。これ、莉菜に渡そうと思っていたの」
机の上にリュックをおろして、その中から取り出したのは、少し使い古したノートだった。
「なあに? これ」
「これはね、三年前の定期テスト対策でまとめてあるノートだよ」
パラパラとめくると、確かに各教科の要点をまとめたらしい内容に、ところどころマーカーが引いてあったり、コメントが追加されたりしている。
「どうしたの? これ」
「これはね、遥人のお兄ちゃんのものなんだ。多少の差はあっても役に立つと思うよ」
「へぇ~」
鳴海ってお兄ちゃんいたんだ。
「……でも、どうして芹香ちゃんが持っているの?」
「あ、それは、ね」
なんだかモジモジし始めた芹香ちゃんが次の言葉を発する前に、HRのチャイムが鳴り響いた。
「とりあえずそれ、遥人にも見せてごらん。好きに使っていいらしいから」
それまで好きに動いていたクラスメイトが慌ただしく自分の席に戻っていく波に合わせて、わたしも席へとついた。
ノートには【鳴海竣人】ときれいな字で書かれていた。
鳴海のお兄ちゃんかぁ。
三年前ってことは今は高校一年生、だよね。
ノートをパラパラと気なしにめくっていく。
少しクセがありつつもきれいな字で、要点をわかりやすくまとめてあるだろうというのがパッと見てわかる。
鳴海とは違うや。鳴海の文字は結構クセ強かったしお世辞にもキレイではなかったもん。
思い出したら思わず笑いがこみあげてくる。
いけない。気を引き締めなくちゃ!
とにかく期末テストまで時間がない。
今更でもなんでも、授業はちゃんと聞くんだ。
これも芹香ちゃんに前、言われていた。
『先生って、授業中に「ここテスト出るぞ」って教えてくれるから、ちゃんと授業聞いてノートとれば点取れるよ』って。
その時の莉菜は、朝練でクタクタになっていて聞く耳半分だった。
それに比べて今のわたしは体力じゅうぶん!
さぁっ! こいっ!
そう思っていたのに、クラス委員長が黒板にチョークでスラスラと綴った二文字に思わず力が抜ける。
――自習。
えぇーっ。せっかくやる気だったのにぃー。
思わず机にベタッとはりつくようにしていたら、頭にぱこんっと軽い衝撃を受けた。
「まぁまぁ、落ち着いて。なんで二人ってこんなに言い合っちゃうんだろうね」
「知らないっ。鳴海に言ってよ。すぐ突っかかってくるんだから」
途中まではちゃんと採点してくれていたし、落ち着いて勉強できる雰囲気だったのに。
「遥人もちゃんと話せばいいやつなんだってわかると思うんだけどな」
「芹香ちゃん、鳴海の味方なのー?」
「そうじゃないよ。だけど私にとっては莉菜も遥人も大事だからさ。この機に二人が仲良くなってくれたら嬉しいなって。それに二人が上手くいかなくて大会に出られないなんてことにはなって欲しくないよ」
そうだよね。大会に出られないのは本当に嫌。
莉菜だって、それは絶対に避けたいはず。
「それに、遥人は莉菜がちゃんと向き合えば向いてくれるよ。そういうやつだもん」
まっすぐな瞳でそう言われてしまえば、わたしもこれ以上文句は言えない。
なんで鳴海って芹香ちゃんの信頼をこんなに得てるの?
そりゃあ確かに面倒見がよさそうな部分はあったし、案外照れ屋なのかなって一面も見えたけど。
「あ、そうだ。これ、莉菜に渡そうと思っていたの」
机の上にリュックをおろして、その中から取り出したのは、少し使い古したノートだった。
「なあに? これ」
「これはね、三年前の定期テスト対策でまとめてあるノートだよ」
パラパラとめくると、確かに各教科の要点をまとめたらしい内容に、ところどころマーカーが引いてあったり、コメントが追加されたりしている。
「どうしたの? これ」
「これはね、遥人のお兄ちゃんのものなんだ。多少の差はあっても役に立つと思うよ」
「へぇ~」
鳴海ってお兄ちゃんいたんだ。
「……でも、どうして芹香ちゃんが持っているの?」
「あ、それは、ね」
なんだかモジモジし始めた芹香ちゃんが次の言葉を発する前に、HRのチャイムが鳴り響いた。
「とりあえずそれ、遥人にも見せてごらん。好きに使っていいらしいから」
それまで好きに動いていたクラスメイトが慌ただしく自分の席に戻っていく波に合わせて、わたしも席へとついた。
ノートには【鳴海竣人】ときれいな字で書かれていた。
鳴海のお兄ちゃんかぁ。
三年前ってことは今は高校一年生、だよね。
ノートをパラパラと気なしにめくっていく。
少しクセがありつつもきれいな字で、要点をわかりやすくまとめてあるだろうというのがパッと見てわかる。
鳴海とは違うや。鳴海の文字は結構クセ強かったしお世辞にもキレイではなかったもん。
思い出したら思わず笑いがこみあげてくる。
いけない。気を引き締めなくちゃ!
とにかく期末テストまで時間がない。
今更でもなんでも、授業はちゃんと聞くんだ。
これも芹香ちゃんに前、言われていた。
『先生って、授業中に「ここテスト出るぞ」って教えてくれるから、ちゃんと授業聞いてノートとれば点取れるよ』って。
その時の莉菜は、朝練でクタクタになっていて聞く耳半分だった。
それに比べて今のわたしは体力じゅうぶん!
さぁっ! こいっ!
そう思っていたのに、クラス委員長が黒板にチョークでスラスラと綴った二文字に思わず力が抜ける。
――自習。
えぇーっ。せっかくやる気だったのにぃー。
思わず机にベタッとはりつくようにしていたら、頭にぱこんっと軽い衝撃を受けた。

