両手いっぱいの、大好きを。

私たちは小走りで学習園へ向かい、委員長に同時に1礼。

「れ、礼なんて…しなくていいのに」

口ではそう言いながら、委員長は、満更(まんざら)でもなさそうな表情だ。

そりゃあ、みんなのアイドル、虹くんに礼なんかしてもらったら、デれるよね。

分かりますよ。委員長。

それに、委員長の名前、夏川(なつかわ) 葫々(ここ)だもん。

親近感湧きますよね。

『ee!?これ、運命!?』

みたいに、なりますよね。

「分かりますよ」

「ん?胡依さん、何が分かるんですか?」

「え、あ、いや、何も」

「そうですか」

そう委員長が言ったとき、後ろから、顔立ちのいい男の子が顔を出し、

「愛里清ちゃん、一緒にやろうよ、雑草抜き」

と、声をかけてくれ!?

「え、えーっと…」

そんな迷う私の後ろで、虹くんが不機嫌そうな顔で、男の子を睨んでるなんて、

そんなこと、私には知る由もなく―――。