両手いっぱいの、大好きを。

「ねえ、夏凪くんっ」

「何」

「続き、もう1回。言わせてよ」

虹くんが黙り込む。

その瞳の奥には、複雑なものが―――?

「夏凪くん、好き。だから、付き合ってよ」

「言い方、ずいぶん変わったよな」

「もちろん。だって、夏凪くんに相応(ふさわ)しい人になりたいんだもん」

捺穂さん、虹くんのこと、好きなんだな……

「でも、わりぃ、無理。俺、好きな人「いるから」

虹くんが少し驚いた表情を見せる。

それと同時に、捺穂ちゃんが、
まるでいたずらが成功した子供のように、意地悪に笑った―――。