両手いっぱいの、大好きを。

「虹くんっ!みんな見てるっ!!」

横からは、女の子からの『キャーキャー』とか言ってる黄色い声が。

耳がキーンとして、痛い。

でも、その声は、歓声だけじゃなかった。

「夏凪くーんっ!!!!私でーす!!!」

「え、えええぇ!?」

虹くんが、『ギュイイーン』という効果音がつきそうなほど、勢いよく止まった。

「夏凪くん、久しぶり」

そこに立っていたのは、

「こんにちは、愛里清ちゃん」

長いきれいな黒髪をポニーテールにして()い、赤い髪飾りで付け根をまとめ。

作り物でない笑顔を貼り付けた、くすみ1つない綺麗な顔。

茶色の、綺麗で澄み切った瞳。

一瞬で、『明るい』という印象を奪い取られた。

でも、1軍とか、ギャルとか、そういうのじゃなくて。

清楚だけど、明るい…みたいな?

彼女の名前は―――

「私、『髙田 捺穂』って言います」