両手いっぱいの、大好きを。

「胡依さん、夏凪さん、委員会お疲れ様」

「ありがとうございます、月寄先生っ」

「どーも」

虹くん、適当すぎでしょ…

そう、私は心の中で(つぶや)いた。

4限目は算数の授業で、今日は確率の授業だ。

これは、関数の次に苦手な単元。

「えー、確率の問題ですね。これは―――」

時計を何度も確認し、そろそろ終わるなと思った瞬間……

ーキーンコーンカーンコーン…

昼休みスタートのチャイム。

それと同時に、私は、帽子を握りしめて、ダッシュでグラウンドに向かった。

いや、私と『虹くん』が、グラウンドの学習園にダッシュで向かった、が正しい。

「ちょ、胡依さん!?夏凪さん!?」

月寄先生に心の中で謝罪し、靴箱までの廊下を駆け抜ける。

「虹くんっ!足速いーっ!」

「じゃあ、愛里清ちゃんも速くしたげる」

そう言うと、虹くんは、夏祭りのときのように私の手を取り―――