両手いっぱいの、大好きを。

ーカラカラカラッ……

弱弱しい音。

そこに立っていたのは、やっぱり…

「愛里清」

「愛里清ちゃん」

「心結…こうく…」

愛里清は、やっぱり夏凪の名前を呼ばない。

いや、呼ぼうとしたけど、『虹くん』という言葉を飲み込んだ、という方が正しい。

そして、私に顔を近づけてきて…

「相談が、あるの」

「分かった。じゃあ、ひるやす「愛里清ちゃーーんっ!!!」

その声が聞こえた瞬間、愛里清が笑顔になった。

でも、その笑顔は少しぎこちなく、作り物に見えた。

でも、気のせいかもしれないと、その考えを頭の片隅に押し込んだ。

そこにいたのは…

「花美ちゃんっ!!」

花美であったというのに―――。