両手いっぱいの、大好きを。

ーガタンゴトン…

鳴る電車の音は一緒のはずなのに、空気が違う。

昨日以来、虹くんとは気まずくて、電車の時間も1つ遅らせ、ホームも4番ホームに。

今まこで虹くんに会うために学校に行ってるようなものだった。

プシューという音とともに、ドアが開き、人々が電車の中に吸い込まれてゆく。

これだって見慣れた光景だ。

電車に乗って、まず視界に入ってきたのは…

「愛里清ちゃん…!?」

花美ちゃんだった。

私たちの1つ遅い電車に乗っていたらしい。

「花美ちゃん、昨日はごめん」

「いや、べ、別に…?悪いの私だし…」

花美ちゃんが落としていた視線を上げ、綺麗な山吹色の瞳が、私をはっきり捉えた。