両手いっぱいの、大好きを。

「好き…ですっ、付き合ってください…」

「ごめん、無理」

何も、口を開けない。何か言える、空気じゃない。

花美ちゃんに、『大丈夫だよ』って、言ってあげたいのに。

励まして、あげたいのに。

自分にできることを、精一杯したいのに。

「分かってたよ。お幸せにね。」

長い花柄のワンピースを翻し、
空色のサンダルが似合う色白な足は、どんどん私たちと距離を開けてゆく。

「待って!かょ、んんっ」

『花美ちゃん』と言おうとした瞬間、虹くんの大きな手が私の口を塞いだ。

虹くんに視線で『離して』と伝えようとするけど、届いてないみたい。

花美ちゃんが振り返り、少し、微笑んだように見えた。

『頑張って。』

そんな言ってもない言葉が、私の心には届いた―――。