両手いっぱいの、大好きを。

「虹ーっ!!!」

花美ちゃんの声。

「か、花美ちゃん…っ」

「花美…何でいんだよ」

虹くんの低く冷たい声。

「探してたの。虹を」

聞きたくない。逃げ出したい。けれど、虹くんがそれを許してくれない。

「というより、その体勢、どういうこと?」

「見ての通りだけど」

そう言った虹くんの頬には、若干朱色が走っているように見える。

「まあいいや、虹。あの空き教室でのこと、覚えてる?」

「覚えてる。」

目の前で続いていく言葉のラリー。

「虹、私のこと、嫌いでもいい。けど、これだけは言わせて」

「いいけど」

「虹…」