両手いっぱいの、大好きを。

「愛里清ちゃん。一緒に花火見よ」

「うん…!」

そしたらまた虹くんが私の手を握ってきて。

さっきはしなかったのに、もっとちゃんと指を絡ませてきた。

「ちょ、虹くん!手!手!」

「どうしたの?離したら、また変な男に連れ去られるよ?」

連れ去られてなんかないし…

そう心の中で思いながら、虹くんとその穴場までの道を進む。

「着いたよ、愛里清ちゃん」

そこは、開けた公園の片隅のところ。

「もう25分だから、もうすぐだね、座ろ」

「うん」

そう地面に両手をついて座ったそのときだった―――。

私の両手を、虹くんが地面に押し付けた。優しく。でも動かない。

「虹くん…?あの…」

虹くんの視線が、私を捉えて離さないの。

その状況が、5分ほど続いた。

見つめられてる事実と、覆いかぶさってくるような虹くんの体勢が
ほんとに恥ずかしくて、顔がどんどん熱くなっていく。

「愛里清って、好きな人、いるの?」

その言葉に合わせて、花火が打ち上げられた―――。