両手いっぱいの、大好きを。

「虹いるー?あれっ⁉︎いない⁉︎」

そう可愛らしい声が、教室に響く。

周りから、「相変わらず橘さんって
可愛いなー」とか、「モデルみたい」って
声が聞こえてくる。

彼女は(たちばな)花美(かよ)

1つ隣のクラス。

容姿端麗・いわゆる絶世の美少女だ。

ぷっくりとした桃のような唇に、明るめのサラサラのロングの髪。
それにぱっちり二重の小顔だ。

虹くんと並べば、まさに美男美女。

幼馴染でもあるらしい。

花美ちゃんがいる限り、
私の恋は、絶対叶わない。

その時、虹くんが帰って来て、私と
ばっちり目が合った。

私は、つい目を逸らしてしまった。

でも、関係ない。キミは花美ちゃんが
いるんだから…。

目を逸らした一瞬、虹くんが少し
悲しそうな顔をしたのは、多分気のせい。