両手いっぱいの、大好きを。

夏祭り当日。

私は、家で全身鏡の前で、浴衣姿をみておどおどし続けていた。

「お母さんっ!!変じゃない!?リップ濃すぎたかな!?髪型似合ってないかな!?」

「心配しすぎよ。大丈夫、可愛いから」

「えぇ…でもぉ…」

「あら…そんなに気にするってことは、デートか何か?」

「ち、違うっ!」

「あらそう?今少し間があった気がするけど?気のせいかしら?」

「間なんてなかったもん!じゃあ行ってくるね!」

これ以上詮索(せんさく)されて、虹くんのことがバレたらまずい…っ!

そう思い、私は早めに家を飛び出した。