両手いっぱいの、大好きを。

ーダッ、ダッ、ダッ…

その声の主を追いかけるべく、俺は階段を勢いよく駆け下りてゆく。

影が、廊下の角からうっすら見えた。

風になびく、真ん中のあたりで結ばれたミルクベージュの髪。

赤と茶色のチェックのスカート。

その人は、

「愛里清っ!!」

少なくとも、泣いていた―――。