両手いっぱいの、大好きを。

「頼むって虹‼︎昨日俺が勝ったじゃん‼︎」

千輝くんの元気な声が教室に響く。

どうやら、昨日何か賭け事の勝負をして、
千輝くんが勝ったようだ。

「…、無理。言わない。」

「でも、『好きな人』がいるのは、
認めるんだよな‼︎」

「…まぁ…。普通の人とは
比べものにならないくらい可愛い子。」

‼︎『好きな人』というワードにビクッと
体が反応する。

『普通の人とは比べものにならないくらい
可愛い子』というワードで、虹くんの
好きな人は、みんな分かる。

だから、改めて諦めたくもなる。

キミには好きな人がいるから、

あんな可愛い、好きな子が…。

そのとき、教室の扉がガラッと開いた。