両手いっぱいの大好きを。

自分の部屋からリビングに降りると…

「きゃああああああーっ!!
私の㮈穂を返してぇーっ!!」

…⁉︎

「あなたっ!何新聞読んでるの!
㮈穂がいなくなったのよぉーっ‼︎」

「え⁉︎ちょ、か、母さん!私、㮈穂だよ!?」

母さん、何でよぅ…

「…え?㮈穂なの?」

「うん。ちょっと、メイクを、ね…
へへっ、不細工だよね…」

自分で言った言葉に、胸がズキズキ痛む。

「そんなことないわ!いつもの100万倍
可愛いわよっ‼︎」

母、髙田(たかだ)和良(わよ)は、
早とちりなところや、
私と似た、田舎のおばあちゃん感がある。

「ああ。すごく可愛いぞ」

父、髙田(たかだ)雅幸(まさゆき)は、
スラッとした細身に、整った顔立ちで。
とにかくかっこいい。

私も、こうなりたかったなぁ…

「ところで、急にどうしたんだ?
今まで髪を解くことすらしなかったのに…」

ギ、ギクッ…

「まぁ、ちょっとおしゃれくらいしたくなるでしょ?」

「うん…!」

よ、よかった…

夏凪くんに好きになってほしいから、おしゃれしてます、なんて…

口が裂けても言えないもんー。