両手いっぱいの大好きを。

「じゃあ、始めよっか。」

「う、うん。」

2人で私の苦手な旅人算のプリントからやり始めた。

虹くんをチラリと見ると、リズムよく
シャーペンを走らせている。

その時、虹くんもこちらを見たために、
私が虹くんに見惚れていたことがバレた。

またやってしまった…っ‼︎

「愛里清ちゃん?どうしたの?1文字も
書いてないけど…」

「えっと…これ、教えてほしくて…」

私の言葉の後、10秒ほどの間があった。

「え?これ?"超"基本問題だよ?これ」

虹くんが口を開いた。

私が言い訳で『教えてほしい』と言った
問題は、どうやら旅人算の初めの一歩と
言っていいほどの基本問題だったようで、

虹くんは、これでもかというくらい
驚いた顔をしている。

酷いよぅ、虹くん…あからさますぎるよ…

「あ、え…そう、なんだ…」

「えっと、ここはこうで…」

2人の肩がつくくらいの近い距離。

心臓がやけにうるさい。

私の頭は、虹くんのこれでもかと言うほど分かりやすい説明で、ようやく理解したよう。