両手いっぱいの、大好きを。

「…虹。…好きっ!!」

そんな花美ちゃんの瞳には、じんわり涙が見える。

「っ…俺、花美のことは――」

虹くんがそう口を開いたとき…

「花美!!行くよっ!!」

祐香ちゃんが、花美ちゃんの手を引き、扉をバシャーンと音を立てて閉めて出ていった。

虹くんの言葉を(さえぎ)ってまで―――。