両手いっぱいの大好きを。

「あんたさえ…いなければーっ!!」

そう花美の声が聞こえた。

その声が聞こえた方へ急いで向かい、扉を開けると、
愛里清ちゃんが花美に叩かれそうになってて。

「愛里清っ!!」

気づいたときには、体が勝手に動いていて、花美の腕を掴んでいた。

「ーっ!!な…、虹っ!?」

花美が驚いた顔で俺を見上げた。

その瞳には、うっすらと、涙さえ見える。

「これは…っ、ちがくて…」

「何が違うの。ダメじゃん。」

そう言うと、花美は思いもしなかったことを
口にした。

「…虹。…好きっ!!」

ーは…?

「っ…俺、花美のことはー」

「花美!!行くよっ!!」

蒲生が、花美の手を引き、扉を勢いよく
音を立てて閉めて、教室から出ていった。

俺の言葉を(さえぎ)って。

ふと横に目をやると、愛里清ちゃんが
ビクビクしながら立っていた。