両手いっぱいの大好きを。

放課後、放送委員会で遅れ、人気の少ない廊下を1人で歩いていたら…

ふと横を見ると、この前花美ちゃんに連れ込まれた空き教室が。

何だか嫌な予感がしたけど、きっと大丈夫。

「胡依。ちょっと悪い」

その時、凛々しいけど、女の子っぽい低い声が、私の名を呼んだ。

「あっ…や、やめっ…!?」

そして、ウエストに腕を回され、グッと後ろに引かれて、倒れそうになる。

「静かに。」

そして、後ろの方で、ガラガラと扉が開く音がして、また強く引かれる。

「…祐香。」

ゆ、祐香…?

「あ、花美。もう来てたの。」

そして、祐香ちゃん?は、私から腕を離した。

今のうちに逃げなきゃ…っ!

「うん。で…本題は…っと」

「あ、ちょ…きゃっ!?」

祐香ちゃんが私をソファーの上に押し倒した。

怖くてしょうがなくて、目をぎゅっと瞑った。

「おい胡依」

「あ…っ、はい…あの…」

「何よ」

花美ちゃんの高くて可愛い声も、こういうときは怖く聞こえてしまう。

もう…虹くんと帰る約束してるのに…っ

「え、あ…私、何かしましたか…?」

そう立ち上がってから言うと、花美ちゃんは目をカッと見開いて、
歯を食いしばり、下を向いた。

床には、雫がポタポタ落ちている。

「か、花美っ!?」

「花美ちゃん…!?だいじょ「うるさいっ!!!」

「お前のせいだよ…!」

「え…」