キミの不器用な愛し方

ガタンゴトンと音を立てて、私がいる
3番ホームを通過した準急列車を
ボーっと眺めた後、次の列車を待つ。

次の普通列車が、私が乗る列車だ。

私は、必ずと言っていいほど、毎日
この列車の三号車に乗る。

ようやく来た普通列車のドアが開き、
人々が吸い込まれるように、列車に
乗り込んでいく。

おっと、申し遅れました。

私は胡依(こより)愛里清(ありす)
律栄館(りつえいかん)学園に通う中2。

どこにでもいそうな普通の女子だ。

そして、クラスメイトの春原(すのはら)千輝(ちあき)くんが
堂々と乗って来た。

「虹ー、あのさー」

「…何」

千輝くんの挨拶に、眠そうに返事を
返した男の子は…

私の好きな人、夏凪(なつな)(こう)くん。

成績優秀・容姿端麗。
欠点を探す方が難しいほど完璧。

背も高く、身長150cmちょっとの私は
見上げないと虹くんを見られない。

「…おはよ、愛里清ちゃん。」

「おはよう、虹くん…」

虹くんと話せるのは、この時くらい。

でも話せるだけ嬉しくて、口元が緩む。

学校の最寄り駅に着くと、虹くんは
千輝くんと一緒に学校に向かってしまう。

だから、私は1人で学校に向かう。

教室に入ると、真っ先に、親友の
湖宮(こみや)心優(みゆ)の元へ
駆け寄り、今日のことを話した。