爆走令嬢アンナの「規格外」な無双劇 〜婚約破棄され失恋しましたが、私の物理(拳)でどうにかします〜

「はっ!」

「アンナさん、絶対に今変なこと考えてたでしょ?……大丈夫、俺全然気にしてないから」

あっけらかんにそう言うカイル君に、「ほんと?」と言うと笑顔で頷かれた。

良かった、と胸を撫で下ろす。

そんな会話が繰り広げられている中、リリィはシェイド君に軽く会釈した。

「さっきは対戦ありがとう」

「……ああ。こっちこそ、ありがとな」

シェイドさんは淡々と返す。

しかし――

その緑の瞳の奥が、ほんの一瞬だけギラッと光った。

……次は絶対負けねぇ。

そんな声が聞こえてきそうなほど、内心の闘志がむき出しになっていた。

リリィはそれに気づいたのか、口元を少しだけ上げて言う。

「次も、手加減しないわよ?」

「望むところだ」

シェイド君の声は静かだけど、空気がピリッとするほどの熱があった。

わたしたちは思わず三人で顔を見合わせる。

この二人、めっちゃ火花散ってる!

その様子を見ていたわたしたち三人の揃った声が、頭に響いた気がした。