爆走令嬢アンナの「規格外」な無双劇 〜婚約破棄され失恋しましたが、私の物理(拳)でどうにかします〜

しばらくして、ウォーミングアップの時間が終わり、授業開始の位置に整列するようにザック先生から指示される。

わたし達生徒は再び入口付近に集まり、整列する。

練習場の空気は、さっきのように緩やかでも熱を帯びてもいなく、どこかピンと張り詰めていた。

きっと、みんながこれから始まる対戦を意識しているのだろう。

対戦は、これからの行事で重要になってくる。
ここでどれだけ勝つかで、行事で重要な役割や活躍できる場面に立てるかが左右されるからだ。

「まずは諸注意からだ。安全に関わることだからよく聞いておくように」

その言葉に、より一層空気に緊張感が生まれた。

「対戦中は、相手の命や身体に重大な危険が及ぶ魔法は禁止だ。威力調整は必ず行うこと。倒れた相手への追撃も厳禁だ。あとは、勝敗は俺が決める。危険な状態になりそうな雰囲気だったら即中断だ。自分たちで勝った負けたを決めずに俺の指示をよく聞いてくれよ〜」

ザック先生は内容を思い出すように、指を折り曲げながらそう言う。

「以上だ。では早速、始めるぞ」

ザック先生はそう言ったと同時に、わたしの手に小さな紙切れがふわりと現れた。
同じようなものが他の生徒の手にも乗せられている。

これは、ザック先生がなにかペアを作るときに使う方法。

移動魔法の中級である招札術(ドロー・サモン)を使って、生徒たちの手に一斉にこんな紙切れをワープさせる。

軽い紙なら初級魔法でも扱えるけれど、全員に同時に配るとなると、中級魔法の招札術(ドロー・サモン)が必要らしい。