爆走令嬢アンナの「規格外」な無双劇 〜婚約破棄され失恋しましたが、私の物理(拳)でどうにかします〜

わたし、結構地獄耳だから聞こえてるんだけど……。

少し気まずさを感じながらも、パンパンと手をはたいて二人の方に向き直す。

「さあ、行きましょ。朝の良いストレッチになったわ」

わたしがそう言って微笑むと、リリィは呆れたように息を吐く。

「アンナ……貴女、魔導学院じゃなくて、騎士育成学校に行ったほうがいいんじゃないの?」

「右に同じく、です」

セルシアちゃんまでわたしの扱いが雑に……!

「もうっ!いいじゃない……早く行こうよ〜〜!」

わたしは二人の手を取って、駆け出した。

「「わっ!」」

二人の高く可愛い声のユニゾンが響く。

わたしが一歩進むたび、野次馬たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
まるで、わたしに怯えて道を空けるように。

不思議に思いながらも会釈すると、みんなその場から逃げるように走っていき、人集りは完全になくなった。