爆走令嬢アンナの「規格外」な無双劇 〜婚約破棄され失恋しましたが、私の物理(拳)でどうにかします〜

「あら、アンナ」

階段を降りて掲示板の方に向かっているとき、後ろから声がした。

振り返ってみると、そこには階段から駆け下りてくるリリィがいた。

「貴女は、確か……マセマティカさん」

セルシアちゃんが呟くようにそう言うと、リリィはお嬢様らしく会釈をした。

「今からクラス分けを見に行くの。アンナたちも?」

わたしは頷きつつ、セルシアちゃんの状況をリリィだけに聞こえる声で伝えた。

それを聞いたリリィは任せてとでも言うように親指を立て、私の反対側、セルシアちゃんの隣に移動して明るく話しかける。

それまま歩いてすぐ、掲示板の前に到着した。

さっきの混雑が嘘かのように、人が殆どいない。

わたしたちは掲示板を確認した。

セルシアちゃんは言っていた通りAクラス。
わたしもリリィも変わらずAクラスだった。

そして、わたしはSクラスの一番上にある名前に目をやった。

『ゼノ・ストラテギウス:一位』

輝かんばかりにトップに君臨するゼノ様の名前を見た瞬間、わたしは逃げるように目を逸らしたのだった。