「……君の危なっかしい姿を見ていたら、僕のほうが壊れてしまう」
その声は、ほんの少し震えていた。
嫌だ。嫌だ……嫌です!ゼノ様……!
お願いです、いなくならないで!一緒にいて…!
喉の奥が詰まって、言いたくても言えない言葉たちが心のなかでどんどんと積もっていく。
「……そこまで言うのなら……わ、分かりました」
キュッと閉まった喉から振り絞った声は、驚くほどに小さかった。
いつものわたしの元気はどこに言ったんだ、と自分でも思うほど。
ゼノ様は安堵したように息を吐き、立ち上がった。
その仕草が、表情が、より一層わたしを苦しめる。
「今日は婚約者として最後の日だから……と言ってもなんだけど、君にプレゼントがあるんだ」
差し出されたのは、大きなクッキー缶と、わたしの好きなお菓子がぎっしり詰まった袋。
「これ……全部ですか?」
「あぁ。本当は来週の誕生日に渡すつもりだった。でも婚約は破棄するし……来週は旅行がある。休業期間中はもう会わないだろうから」
複雑に絡まる感情を押し隠し、わたしは立ち上がって礼をした。
「ありがとうございます」
「いいよ。じゃあね、アンナ。これからは幼馴染としてよろしく」
そう言い残し、ゼノ様は背を向けて歩き出す。
その背中が庭の向こうに消えていく。
嫌です、嫌です!
待ってよ、行かないでよ……側にいてよ、ゼノ様。
声にならない叫びが心の中で暴れ出す。
そして、ゼノ様の姿が完全に見えなくなった瞬間―――
わたしは芝生の上に崩れ落ちた。
腕に抱えたお菓子たちも、酷く重く感じる。
まわたしの今の心境を、表すように。
その声は、ほんの少し震えていた。
嫌だ。嫌だ……嫌です!ゼノ様……!
お願いです、いなくならないで!一緒にいて…!
喉の奥が詰まって、言いたくても言えない言葉たちが心のなかでどんどんと積もっていく。
「……そこまで言うのなら……わ、分かりました」
キュッと閉まった喉から振り絞った声は、驚くほどに小さかった。
いつものわたしの元気はどこに言ったんだ、と自分でも思うほど。
ゼノ様は安堵したように息を吐き、立ち上がった。
その仕草が、表情が、より一層わたしを苦しめる。
「今日は婚約者として最後の日だから……と言ってもなんだけど、君にプレゼントがあるんだ」
差し出されたのは、大きなクッキー缶と、わたしの好きなお菓子がぎっしり詰まった袋。
「これ……全部ですか?」
「あぁ。本当は来週の誕生日に渡すつもりだった。でも婚約は破棄するし……来週は旅行がある。休業期間中はもう会わないだろうから」
複雑に絡まる感情を押し隠し、わたしは立ち上がって礼をした。
「ありがとうございます」
「いいよ。じゃあね、アンナ。これからは幼馴染としてよろしく」
そう言い残し、ゼノ様は背を向けて歩き出す。
その背中が庭の向こうに消えていく。
嫌です、嫌です!
待ってよ、行かないでよ……側にいてよ、ゼノ様。
声にならない叫びが心の中で暴れ出す。
そして、ゼノ様の姿が完全に見えなくなった瞬間―――
わたしは芝生の上に崩れ落ちた。
腕に抱えたお菓子たちも、酷く重く感じる。
まわたしの今の心境を、表すように。



