爆走令嬢アンナの「規格外」な無双劇 〜婚約破棄され失恋しましたが、私の物理(拳)でどうにかします〜

パンケーキを勢いよく頬張る私を見ながら、リリィは呆れたような声音でそう言う。

「えへへ……。でもね、リリィ、糖分はエネルギーの塊!つまり、このパンケーキを食べることは、未来のパンチ力を養うための神聖な儀式!!」

「何よその言い訳。スイーツが食べたいただの食いしん坊じゃない」

ため息を吐きながらも、リリィは笑っていた。

「バレちゃった?って、なんでそんなに笑顔なの……?まあいいわ。それより見て!このホイップクリームの山、お兄様が冬に山頂で鍛錬したときに持って帰ってきた雪山のよう……!」

「例えが物騒ね。けれど……アンナ、あなたが幸せそうで何よりよ、私は。さっきよりも顔色が随分いいわ」

さっきよりもいい笑顔を浮かべるリリィに、わたしもつられて笑った。

「これも食べてもいい?」

パンケーキを平らげたわたしは、お皿を隅に寄せてマカロンが乗ったお皿を手にした。

コクリと頷くリリィを確認した瞬間、わたしはマカロンを一つ手に取る。

「全く、さっきのアンナからは想像できないわ……。けど、元気に過ごしてくれるならそれでいいわ。それより、クリーム付いてるわよ」

「どこどこ!?」

リリィのその言葉に、わたしは口の中に入っていたマカロンを飲み込んで顔全体を擦りまくる。

リリィはそんなわたしを見て、計算通りと言わんばかりに優雅に紅茶を啜るのだった。