爆走令嬢アンナの「規格外」な無双劇 〜婚約破棄され失恋しましたが、私の物理(拳)でどうにかします〜

「ありがとう、リリィ。なんだか心の中の支えていたものが取れた気がする」

「あら、それなら良かったわ。ちょっと言い過ぎたけど、すっきりしたわ……って、アンナ!?」

顔を上げたリリィは、驚いたように目を見開いた。

「どうしたの?リリィ」

「なんであんた……泣いてるのよ!」

焦ったようにそう言ったリリィの言葉を聞いて、わたしは驚いた。

頬に触れると、冷たいものが伝っていた。
涙だった。

「あれ、ほんとだ……なんでだろう」

「自分でも分からないのね……まあ、なんとなく理由は分かるけど」

リリィはそう言いながら、少し乱暴にわたしの涙を拭った。

「あ、気を取り直して、何か注文しましょう。そのためにここに来たんだから」

そう言って、メニュー表をタップして魔力で注文を飛ばすリリィ。

わたしは魔力が弱くて、注文を飛ばす前に意識を飛ばしちゃうからな……。

魔力が使えない人やない人のために呼び鈴は設置してあるけれど、正直絶対魔法のほうが楽だし。

「わたしも、魔力があればよかったのかな?」

思わずこぼれ落ちた言葉。

「急にどうしたのよ」

「だって、魔力があればゼノ様とお別れしなくてすんだかも……それに、何かと便利」

「……あれ見てみなさい」