爆走令嬢アンナの「規格外」な無双劇 〜婚約破棄され失恋しましたが、私の物理(拳)でどうにかします〜

お兄様は深く息を吐き、わたしの頭の上に手を置いた。

「辛かったな……本気で好きだったんだもんな…」

ぽんぽんと頭を撫でながら、そう言ってニコっと笑う。

その言葉が胸にジーンと響いた。

「うん……」

わたしが小さく頷くと、お兄様は真剣な顔つきになる。

「アンナ……急な話をするな。その気持ち、晴らしたいよな?……それなら、俺と一緒に特訓しないか?」

「特訓……?」

「そうだ。特訓して強くなったところをあいつに見せるんだ!そして、ぎゃふんと言わせてやれ!」

お兄様は慰めのつもりなのだろうけど、わたしからすれば少しだけ胸に刺さる。

ゼノ様は、わたしの危なっかしいところが見ていられないと言っていたのに…。
逆効果ですよ、お兄様……。

けど、強くなりたいのは、本心にある。

ゼノ様に心配されないくらい。胸を張って隣に立てるくらい。
もっと強くなりたい。

わたしは涙を拭い、深く息を吸った。

「……やります。特訓……したいです」

その言葉を聞いた瞬間、お兄様の顔がぱぁっと明るくなった。

「よし!!今日は父上も交えて三人で24時間特訓だ!ポジティブにいこう!今日は婚約破棄記念日だ!」

いつものお兄様に戻り、わたしは少しだけ胸を撫で下ろした。

「わたし、もっと強くなります!」

「いいぞアンナ! その意気だ!」

お兄様は満面の笑みで手を差し出してきた。

わたしはその手をしっかりと握り返す。

すると、お父様が「それはいいが、まずは食事を取り終えなさい」とツッコミを入れた。

その言葉に、わたしとリザットお兄様は顔を見合わせて苦笑いをした。