雪の音色に包まれて

長くて短い冬が進み、雪解けが始まった。

この日、名残惜しむように最後の雪が降った。

雪音(ゆきね)
『明日、遠い国へ発つことになったの…。』

氷月(ひづき)
「…そんな気がしてた。今日でお別れだってことも。」

雪音(ゆきね)
『どうして?』

氷月(ひづき)
「もうすぐ…雪が降らなくなるから。」

雪音(ゆきね)
『…そう…気づいたのね。』

氷月(ひづき)
「うん、ずっと不思議だった。僕は12年間で大人になったのに、雪音(ゆきね)さんは出逢った頃のまま。」

雪音(ゆきね)
『…。』

氷月(ひづき)
「いつだったか愛冬(まふゆ)が言ってた。雪音(ゆきね)さんは”雪の妖精”じゃないかって。僕も冗談だと思ったけど、本当なんでしょう?」

雪音(ゆきね)
『…うん…。』

氷月(ひづき)
雪音(ゆきね)さんは0歳でも100歳以上でもあるって言った。それは水が雪になってから0歳、雪が水になってこの星を巡るから100歳以上…ってことだよね?」