「今日だ! 今日、いまから事故が起きちゃう!!」
真っ青になったわたしは、弾かれたように立ち上がった。
走って疲れた、もうクタクタで動けない、なんて呑気なこと言ってる場合じゃない!
「二人を止めなきゃ! こっちに来ちゃダメって言わなきゃ!!」
走り出そうとしたわたしの手を、また千聖くんが掴んだ。
「なんで止めるの!?」
「いいから、園田さんたちのことはおれに任せろ。愛理のことだから、『車が突っ込んでくるから行っちゃダメ』って馬鹿正直に言うつもりなんだろうけど、そんなの言ったって信じるわけねーじゃん。いままで何人信じた?」
「う……」
わたしは夢見た未来を何度か他人に伝え、危険を訴えてきた。
でも、素直に信じてくれた人はゼロだ。
わたしの言葉をすんなり信じてくれたのは、千聖くんと優夜くんだけ。
お父さんだって、いまでこそ予知夢のことを信じてくれてるけど、最初は疑ってた。
「事故現場に誰も近づかないか見張っといて。間違っても車を止めようとはするなよ。危なすぎるからな」
「……うん」
本当は車を止められたらそれが一番いいんだけど、確かに近づくのは危ないよね。
幸い、突っ込んでくる車はそこまで早いスピードじゃなかった。
あのくらいのスピードなら、運転手さんも死にはしないはずだ。
「よし」
頷いたわたしを見て、千聖くんは頷き返し、歩いて行った。
一人残されたわたしは辺りを見回した。
問題の横断歩道に近づこうとする人は誰もいない。
横断歩道の向こう側では大人や登校中の子どもが歩いているけれど、車が突っ込んでくるのはこっち側だから大丈夫だ。
千聖くんは道案内でも頼んだらしく、園田さんたちと一緒に、横断歩道とは全く違う方向へ歩き出した。
これから起こることを伝えずに安全な場所まで避難させるとは、さすが千聖くんだ。
わたしなら『とにかく行っちゃダメ』としか言えなかったな……。
頰を掻いていると、横断歩道の信号がチカチカと点滅して、赤に変わった。
もしわたしが見た未来が現実になるのなら、もう少しで車が突っ込んでくる。
そんなこと起きなければいいのに。
わたしが見た夢は夢のまま終わればいいのに。
でも、やっぱり夢は現実になってしまった。
真っ青になったわたしは、弾かれたように立ち上がった。
走って疲れた、もうクタクタで動けない、なんて呑気なこと言ってる場合じゃない!
「二人を止めなきゃ! こっちに来ちゃダメって言わなきゃ!!」
走り出そうとしたわたしの手を、また千聖くんが掴んだ。
「なんで止めるの!?」
「いいから、園田さんたちのことはおれに任せろ。愛理のことだから、『車が突っ込んでくるから行っちゃダメ』って馬鹿正直に言うつもりなんだろうけど、そんなの言ったって信じるわけねーじゃん。いままで何人信じた?」
「う……」
わたしは夢見た未来を何度か他人に伝え、危険を訴えてきた。
でも、素直に信じてくれた人はゼロだ。
わたしの言葉をすんなり信じてくれたのは、千聖くんと優夜くんだけ。
お父さんだって、いまでこそ予知夢のことを信じてくれてるけど、最初は疑ってた。
「事故現場に誰も近づかないか見張っといて。間違っても車を止めようとはするなよ。危なすぎるからな」
「……うん」
本当は車を止められたらそれが一番いいんだけど、確かに近づくのは危ないよね。
幸い、突っ込んでくる車はそこまで早いスピードじゃなかった。
あのくらいのスピードなら、運転手さんも死にはしないはずだ。
「よし」
頷いたわたしを見て、千聖くんは頷き返し、歩いて行った。
一人残されたわたしは辺りを見回した。
問題の横断歩道に近づこうとする人は誰もいない。
横断歩道の向こう側では大人や登校中の子どもが歩いているけれど、車が突っ込んでくるのはこっち側だから大丈夫だ。
千聖くんは道案内でも頼んだらしく、園田さんたちと一緒に、横断歩道とは全く違う方向へ歩き出した。
これから起こることを伝えずに安全な場所まで避難させるとは、さすが千聖くんだ。
わたしなら『とにかく行っちゃダメ』としか言えなかったな……。
頰を掻いていると、横断歩道の信号がチカチカと点滅して、赤に変わった。
もしわたしが見た未来が現実になるのなら、もう少しで車が突っ込んでくる。
そんなこと起きなければいいのに。
わたしが見た夢は夢のまま終わればいいのに。
でも、やっぱり夢は現実になってしまった。

