「この手じゃ何も書けないな。板書、どうしよう」
青空の下、三人並んで通学路を歩きながら、千聖くんは包帯に巻かれた手を見た。
夏の朝は眩しい。朝陽がコンクリートに反射して、目が痛いほどだ。
「わたしが書いたやつ、コピーする?」
「ああ。必要だったらそうさせてもらう。国語の授業で作文とかなきゃいいけどなー。もうすぐ夏休みで良かった。不幸中の幸いってやつだな」
そんなことを話しながら歩いていると、前方――電柱の傍に帽子を被った春川さんが立っていた。
「あれ、春川? おはよう」
「おはよう。怪我は大丈夫?」
春川さんは足早に千聖くんに近づいた。
「大丈夫。二週間もあれば完治するだろうって」
「そう。なら良かったわ」
春川さんは頷いて、これで用事は終わったとばかりに颯爽と背を向け、歩き出した。
わたしたちは三人で顔を見合わせた。
「待てよ、春川。もしかして無事を確認するためにわざわざ待っててくれたのか? こんな暑いのに?」
千聖くんは空に燦然と輝く太陽を見上げてから、再び春川さんの美しい横顔を見た。
春川さんの額には汗が浮かんでいる。
この暑い中、立っていたのだから当然だ。
「何よ。クラスメイトを心配して悪いの?」
つんとした態度で春川さんが言う。
青空の下、三人並んで通学路を歩きながら、千聖くんは包帯に巻かれた手を見た。
夏の朝は眩しい。朝陽がコンクリートに反射して、目が痛いほどだ。
「わたしが書いたやつ、コピーする?」
「ああ。必要だったらそうさせてもらう。国語の授業で作文とかなきゃいいけどなー。もうすぐ夏休みで良かった。不幸中の幸いってやつだな」
そんなことを話しながら歩いていると、前方――電柱の傍に帽子を被った春川さんが立っていた。
「あれ、春川? おはよう」
「おはよう。怪我は大丈夫?」
春川さんは足早に千聖くんに近づいた。
「大丈夫。二週間もあれば完治するだろうって」
「そう。なら良かったわ」
春川さんは頷いて、これで用事は終わったとばかりに颯爽と背を向け、歩き出した。
わたしたちは三人で顔を見合わせた。
「待てよ、春川。もしかして無事を確認するためにわざわざ待っててくれたのか? こんな暑いのに?」
千聖くんは空に燦然と輝く太陽を見上げてから、再び春川さんの美しい横顔を見た。
春川さんの額には汗が浮かんでいる。
この暑い中、立っていたのだから当然だ。
「何よ。クラスメイトを心配して悪いの?」
つんとした態度で春川さんが言う。

