「なあ愛理。話を戻すけどさ。予知夢が何の意味もないなんて言うなよ。これまで愛理はおれを含めて何人も助けてきたじゃん。言っただろ、それはすごいことなんだって。愛理はこれまで人知れず、たくさんの人の涙を止めてきたんだよ。そんな頑張り屋の愛理だから、おれは好きになったんだ」
千聖くんの指がわたしの頬を優しく擦る。
その感触がくすぐったくて、わたしは首を竦めた。
「何の意味もなかった、助けなきゃ良かったなんて言われたら、これまで愛理に協力してきたおれも優夜も、なんか、馬鹿みたいじゃんか。愛理は四年前、優夜が父さんに連れて行かれても良かったのか? 昨日、坂本が怪我をしても良かった? 田沼に優夜が泣かされても良かったのかよ」
「……ううん。嫌だ。優夜くんが泣くなんて嫌だ。坂本くんにも、他の誰にも怪我なんてして欲しくない。ごめん。言い過ぎた」
謝ると、千聖くんはわたしの頬に手を添えたまま微笑んだ。
柔らかい微笑みに、ドキリ、と心臓が跳ねる。
「そうだよ。それでいいんだ。神様じゃねーんだ、おれや誰かの不幸な未来を100%を予知して防ぐなんて無理に決まってる。愛理が予知夢で防げるのはたった1%のことなのかもしれない。助けた人は、その後もっと酷い怪我をすることだってあるかもしれない。でも、それでも、愛理がそのときその人を助けた事実は変わらねーよ。愛理は確実に誰かを救ってるんだ。その人本人と、その人を大事に思う誰かも含めてさ」
「……うん」
「人間だけじゃなくて、動物もな」
千聖くんは床に寝転がっているジロさんを見て、笑った。
千聖くんの指がわたしの頬を優しく擦る。
その感触がくすぐったくて、わたしは首を竦めた。
「何の意味もなかった、助けなきゃ良かったなんて言われたら、これまで愛理に協力してきたおれも優夜も、なんか、馬鹿みたいじゃんか。愛理は四年前、優夜が父さんに連れて行かれても良かったのか? 昨日、坂本が怪我をしても良かった? 田沼に優夜が泣かされても良かったのかよ」
「……ううん。嫌だ。優夜くんが泣くなんて嫌だ。坂本くんにも、他の誰にも怪我なんてして欲しくない。ごめん。言い過ぎた」
謝ると、千聖くんはわたしの頬に手を添えたまま微笑んだ。
柔らかい微笑みに、ドキリ、と心臓が跳ねる。
「そうだよ。それでいいんだ。神様じゃねーんだ、おれや誰かの不幸な未来を100%を予知して防ぐなんて無理に決まってる。愛理が予知夢で防げるのはたった1%のことなのかもしれない。助けた人は、その後もっと酷い怪我をすることだってあるかもしれない。でも、それでも、愛理がそのときその人を助けた事実は変わらねーよ。愛理は確実に誰かを救ってるんだ。その人本人と、その人を大事に思う誰かも含めてさ」
「……うん」
「人間だけじゃなくて、動物もな」
千聖くんは床に寝転がっているジロさんを見て、笑った。

