幼なじみが家族になった〜イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜

 今日はわたしがお風呂上がりの千聖くんの髪を乾かしてあげた。
 引っ越ししたとき、千聖くんに髪を乾かしてもらったから。
 そのときのお返しだ。
 怪我をしているのに、わたしが髪を乾かしている間、千聖くんはなんだか嬉しそうだった。
 夜の十時を回り、皆にお休みの挨拶をして、わたしは自分の部屋へ行った。
 でも、なかなか眠れない。
 ベッドの中で何度も寝返りを打っても、駄目だ。
 千聖くんの腕に巻かれた包帯のことばかり考えてしまう。
 わたしが落ち込んでいることを察したのかもしれない。
 その日の夜は珍しく、ジロさんがわたしのベッドに潜り込んできた。
 猫は温かいから、冬は湯たんぽ代わりになる。
 でも、夏に密着されると熱い。
 同じことを思ったらしく、ジロさんはもぞもぞと動いて、ベッドから下りた。
 暗い中、目を凝らして見れば、ジロさんは床の猫用マットの上で丸まっている。
「……ねえジロさん。わたしの力って、あんまり役に立たないね。一番助けたかった人を助けられなかったよ」
 坂本くんには悪いけれど。
 わたしは坂本くんが怪我をする夢よりも、千聖くんが怪我をする夢を見たかった。
 目元を擦ってから、わたしは薄い布団を胸元まで引き上げた。
 早く寝ないと、明日も学校だ。