イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

「本気のトーンで言われたから、ミキもカオリもすっかり怯えちゃってさ。何よ。『ただの幼馴染』とか言っといて、来見さんにベタ惚れじゃないの、成海くん」
 春川さんは形の良い唇を軽くとがらせた。
「だから、もういいの。わたしになびかない男なんて要らないわ」
 春川さんは長く艶やかな髪を右手で払い、つんと澄ました顔で言い放った。
 わたしになびかない男なんて要らない。
 す、凄い台詞だ……!!
 わたしは雷に打たれたような衝撃を受けた。
 小学六年生でこんな格好良い台詞を言える女子がいるだろうか。
「もう成海くんにちょっかい出すのは止めたわ。後はお好きにどーぞ。成海くんにこだわらなくても、格好良い男子は他にもいるし、わたしのこと好きな男子なんていくらでもいるもの」
「……そ、そうなんだ、うん。じゃあ……」
 わたしはそそくさと退散して、自分の席に戻った。 
 春川さんって、色んな意味で凄い子だなあ。
 そんなことを思いながらランドセルに教科書を詰めていく。
「愛理ちゃん、クラブいこ」
 オレンジ色のランドセルを背負った菜摘ちゃんが声をかけてきた。
「うん」
 わたしはランドセルをぱちんと閉じて、立ち上がった。
 今日はクラブ活動がある日だ。
 わたしと菜摘ちゃんは同じ家庭科クラブに入っている。
 家庭科室で菜摘ちゃんと隣同士に座り、班のみんなでお好み焼きを作っていると。