イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

「そうかー、やっと自分の気持ちを認められたんだ、良かったねえ。あとは無事二人がくっつくだけだねえ。まあこれは時間の問題だね、うん、とにかく良かった良かった」
 教室に戻って着替えた後、渡り廊下で起きた出来事を話すと、菜摘ちゃんは満足そうに何度も頷いた。
 でも、春川さんと明確に対立してしまったわたしは呑気に菜摘ちゃんと談笑できるような心境ではなかった。
 ――あんたちょっと付き合いなさいよ。
 春川さんたちのグループから、いつそんな風に呼び出されるか。
 人目のない空き教室とか、体育館裏に連れていかれて、文句を言われるか。
 警戒しながら放課後になった。
 でも、放課後になっても春川さんは何の行動も起こさなかった。
 反抗した生意気なわたしに声をかけてこないのはなんでだろう。
 明日、改めて呼び出されるんだろうか?
 どうにも気になる。
 このままずっとモヤモヤした気持ちを抱えるのは嫌だ!
 わたしは勇気を出して、春川さんに近づいた。
「あの……春川さん」
「何?」
 多少、恨みには思っているらしく、春川さんは睨むような強い目でわたしを見た。
「その、さっきはごめんね」
「べっつに。いーよ。こっちこそごめんね」
「え」
 謝られるとは思わず、びっくりした。
「お邪魔虫だったのはわたしのほうだったんでしょ。成海くんにも、『もし愛理に何かしたら許さねー。たとえ女子だろうとぶっ飛ばすからな』って言われたし」
「えっ」
 予想外のことを言われて、心臓が大きく跳ねた。
 千聖くん、そんなこと言ってたんだ……。